店舗運営をしていると誰もが時折出くわすでしょう。
小さいモノまで合わせると、場合によっては毎日クレームが発生しているかもしれません。
実はクレームとは英語ではないのです。
正確に言うと、英語では日本人が使っている意味とは違う言葉です。
日本ではクレーム=苦情、不満、改善要求
英語ではクレーム=主張、要求、請求
英語の苦情はコンプレインとなります。
クレーム【claim】 要求する、請求する、主張する、言い張る
コンプレイン【complain】苦情を言う、不平を言う、不満を言う
今回はクレームを日本語の意味の苦情ととらえつつ、英語意味も理解しつつ考え方とを深堀していきます。
その中で、対策方法、解決の方法を解説してきます。
クレームが発生する場面
クレームが発生するのはどのようなときでしょう。
結論は、お客様の期待答えられなかった時です。
お客様の要望に応えられなければ必然的に来店頻度は減り売上の減少につながります。
売上が減少してしまえば、その中で利益を上げ続けるのは難しくなるでしょう。
また、内容によっては返金や賠償なども発生してしまい、ただの経費の上乗せとなってしまします。
当たり前ですが、発生しないほうがいいモノです。
今回はクレーム大きく分けて以下の5つに対して解説していきます。
QSCにかかわるクレーム
- 本来提供するべき商品が足りない。
- 商品かけるソースを間違えた。
- 提供間違い
- 従業員の案内不足
- 接客対応が悪い
- レジ打ちが間違っている
- トイレが汚い
- 客席が汚い
- 食器が汚れている
これらはすべて予見し、本来あるべき一定の水準でのQSCをキープしておかなければならない内容です。
お客様の声に耳を傾け真摯に対応する必要があります。
また、同様のクレームを言わずとも心に思っているサイレントクレーマーは多くいるはずです。
同じ思いをお客様にさせてしまい、気づかないうちに客足が遠のいていってしまっている可能性もあります。
このようなクレームは「そのようなご指摘を頂き指導不足を痛感しております」と素直に謝罪するべき内容かと思います。

店側の不手際によるもの
- スープを洋服にかけてしまった
- 忘れ物を取りに来る予定が引き継ぎミスで交番に届けた
- テイクアウトのパックミス(入れ忘れ)
いずれも本来であれば、作業指示やマニュアルが存在しそのようなことが起こりえないようになっているものかと思います。
私自身はこのようなケースでもヒューマンエラーと言っておりますが、つまりうっかりミスです。
意外と経験上ですが、うっかりミス程お客様は寛容でいてくださる気がします。
丁寧に謝罪し、うっかりがないようにしていきますと伝えればご理解いただけることが多い気がします。
お客様の期待に応えきれなかったクレーム
- 料金のわりに商品が少ない、質が悪い(定められた商品設計を遵守した前提)
- 商品の提供が遅い
- 忘れ物をしたのに気付いてくれなかった
実はこれは、飲食店経験があると、仕方がないことだと思ってしまいがちですが、お客様は店側に非があると考えているものです。
実は、新人店長の中では対応に困り相談がある内容では非常に多いモノです。
こちらは一つ一つ細かく解説していきましょう。
料金のわりに質が悪い、量が少ない
チェーン店の店長をやっていると、そんなこと本部が定めたマニュアルや価格設定の下やっているのだから自分たちは悪くないんだと感じてしまいがちです。
おっしゃる通りで店長のあなたは悪くありません。
しかしお客様の要望は
「この商品に対ししての要望をあなたに言っているのだから、全店で改善してほしい」
という、クレーム=要望なのです。
すぐに対応できる内容ではない、確約できないと前置きしつつも会社に対して提言することをお約束します。
そうすればご理解いただけれケースも多いとは思います。
また、お客様の声は現場店長から会社が欲しい情報でもあります。
積極的に起案することによって会社の売上にもつながります。
商品の提供が遅い
混雑したピークタイム、それはアイドルタイム以上に提供までの時間がかかってしまうことは仕方がないですよね。
しかし、これを言い訳にお客様に謝罪をしてはいけません。
混雑していようが、閑散であろうがお客様には関係がないこと、同じ料金を払っていただいているのです。
当日のシフトに問題がなかったのか、食材の仕込みは完璧であったのか、本当に稼げるチャンスを逃していないのか。
お客様には関係のないことですが、提供が早ければ、客席回転数も上がるでしょうし、CSも向上します。
真摯受け止め、改善をお約束するべき内容だと思います。
忘れ物に気づいてくれなかった
本来であれば、客席を確認しお客様の忘れ物がないことを確認しお客様を送り出すべきです。
しかし……常にできるとは限りませんよね。
お客様が席を立ったということはお会計をしなければいけませんし、その間にもほかのお客様の注文はたまっております。
内容によっては、言いがかりだと捉え無視しても構わない内容だと思いますが、従業員を指導するのには最適なご指摘です。
お客様に対しては至らなかった点だけ謝罪し、従業員指導では、客席の確認やそのあと起こり売りうるトラブルを予見させ、面倒ごとを起こさせない仕組みを作るきっかけになるご指摘です。
忘れ物という性質ではありますが、お客様のものを預かるというのはトラブルのもとになるケースが多いです。
このお客様に対して、そのほかのトラブルがあったとき、問題が大きくなる可能性は非常に高いといえましょう。
些細なことでも真摯に受け止める姿勢で大きなトラブルを回避することが出来ます。
有症苦情
- 腹が痛く医者に行ったらお宅の店の商品のせいだと言われた
- 店で食事をしたら体調が悪くなった
- 店のせいで調子が悪い、医者に行くから治療費を払え
大前提として、本当にお店で食中毒が発生していないという前提ですが、基本的には怖くありません。
保健所を介して適切な対応をして、お身体の心配をしていれば良い内容だと思います。

ほぼ言いがかりに近いクレーム
- なんで今日は売り切れなんだ
- いつもの従業員は客の好みを覚えているぞ
売上増加のためであっても、店舗にいる従業員がそのようなことを言われていればESも低下してしまいます。
売上捨ててでも本来の営業のために、物別れをするのも店長の仕事です。
