無料の駐車スペースを用意している飲食店ではよくあることではないでしょうか。
お店での無断駐車は売上に直結しますし、できれば対応したいところです。
しかし、警察に言っても動いてくれない!
そんな経験はありませんか?
結論から申し上げますと、圧倒的な解決方法は今だに日本の法律ではありません。
ただ、できることを紹介していこうと思います。
絶対にやってはいけないこと
最初に絶対にやっていはいけないことを抑えましょう。
勝手にレッカー移動をする
法律上、自力救済が禁止されているため、違法となります。
自己救済とは、司法手続きによらず自身で権利回復をするものということです。
簡単に説明すると、盗まれたモノを取り返すというのは、自力でやってはいけないということになります。
タイヤロックをかける
所有者が車を使用できない状態にしていることで、器物損壊に問われる可能性もあります。
こちらもレッカー移動と同じ考え方になります。
強力なガムテープで張り紙をはる
はがす際に、塗装がはがれたりした場合も、器物損壊に当たります。
残った粘着質を取るために洗車も必要になるでしょう。
張り紙攻撃と警察対応
- 警察に通報します。
- ナンバーを控えました。
警告を紙に書きワイパーに挟みます。
その際に、今後このような駐車があった場合は、1時間1000円の駐車料金を頂きます。
このようなことも記載いたしましょう。
この際に、近隣相場の駐車場代とかけ離れすぎていると主張の正当性が取れなくなります。
警察に電話をする
無断駐車車両があるため、持ち主に連絡して移動するように言ってくださいと頼みます。
警察官が店舗に来店し、持ち主を照会し連絡をしてくれます。
ただ、刑事事件ではないため、強制力もなく民事不介入の原則により、電話をするにとどまります。
警察が動いてくれないとよくいう方がいますが、刑法上無断駐車は違法にはなりません。
道路交通法で、道路上の駐停車は規定されていますが、私有地に関してはそれがないのです。
駐車されている記録を残す
- ナンバーがわかるように車の前後の写真
- 張り紙の内容と車がわかるような写真
- 車の場所
- 駐車されている時間の記録(最低限少なくとも止まっていた時間)
これらを記録します。
警察からの電話や張り紙を見て、やめてくれればそれで対応終了です。
ある程度、証拠がたまったら反撃です。
車の所有者情報を割り出しましょう。
ナンバーに書いてある陸運局に出向きましょう。
登録事項等証明書交付請求
登録事項等証明書交付請求書が陸運局にあります。
- 該当車のナンバー
- 見取り図
- 放置期間
- 放置車両の写真
- 私有地の使用者・所有者であることを証明
このようなものが必要になります。
陸運局で判断されるため、完全に何が必要かをシェアするのは難しいですが、基本的に土地を契約してたり、所有している証明ができて、放置されていたり無断駐車が頻発している車両だということが明確にわかる場合は教えてくれます。
これは放置車両を撤去するというのが前提の仕組みです。
放置期間は問わないとなっておりますが、断続的な駐車では開示できません。
確認した際にいつも止まっているとなれば、連続的に止まっているのだから、放置されていると考えられるでしょうと言う流れで開示してもらっています。
車検証に記載されている内容がそっくりそのまま渡されます。
内容証明郵便を送る
内容証明とは、出した手紙の内容を郵便局が証明してくれる書類です。
- 記載された内容
- 受け取りがあったかないか
このようなことが記録されます。
記載内容は、無断駐車による損害を請求する内容になります。
- 〇月〇日~〇月〇日までの期間において、無断での駐車がありました
- 店舗に〇〇円の損害がありました。
- 近隣相場での駐車料金は合計で〇〇円になります。
- 今後一切、当店敷地には立ち入らないでください
- 万が一応じない場合は、〇〇裁判所へ民事訴訟の申し立てを致します。
こういった内容でよいかと思われます。
しっかりとした通告をしていれば、それを武器に今後は威力業務妨害や建造物侵入罪などにあたる可能性も残ります。
これで支払いがあればラッキーですし、これをみて駐車や来店がなくなればそれでよいと考えることもできます。
持ち主なんかわかるわけないと思って無断駐車しているのに、突然自宅宛てに連絡が来たらそれだけで抑止効果があると考えられます。
車検証の住所が違った場合
車検証の住所を変更しておらず、記載内容が前の住所となっている可能性もあります。
車検証の内容に変更があった場合は、15日以内に手続きをしなければいけないと法律で決まっております。
車庫法違反の可能性もありますので、これは一度警察に通報したほうがいいでしょう。
所有者がカーディーラーとなっている場合は、ディーラに直接電話をする、もしくわディーラーに連絡してみるのもよいですが、強気で出れなければディーラーは何もアクションはしないでしょう。
過去ディーラー経由で連絡が取れたこともありますが、これは稀でしょう。
内容証明が戻ってきた場合は、裁判所を経由し公示送達を行う方法もあります。
強制的に該当人物に送付する方法もありますが、裁判所ではなかなか受理されません。
少額訴訟を起こす
少額訴訟制度とは60万円以下の請求に対して行える小さな訴訟と思っていただければ良いと思います。
一日で審議が終了し訴訟費用も安く済みます。
デメリットとして、相手が同意しなければ通常訴訟となりますので費用が膨らむ可能性もございます。
しかしながら、裁判ではあるため、十分な準備をする必要がありますが、今まで対応してきた記録があれば十分かと思います。
判決が出れても、お金にはならない
判決が出ると強制的にお金が振り込まれるわけではございません。
勘違いしがちですが、裁判の結果というのは支払う義務が法的に決定するだけで、それを回収するのはまた、当人の仕事です。
支払い能力があるのか、などの問題が発生するとは思いますが、今回のケースであれば車を抑えているので、登録事項等証明書をもとに動産執行をしてしまいましょう。
通常の動産施行よりは大変ですが、これで、車をお金にかけることが出来ます。
さて、結局どの段階で車は動きましたか?
私の経験上、最後まで行ったことはございません。
訴訟の準備をし、内容証明の送付をした段階で示談の流れとなりました。
もちろん準備はしてから取り掛かりますが、結局どこかしらの段階で持ち主の方が折れるでしょう。
一度、一連の流れをやってみれば、どれも簡単に行えるかと思います。
労力がいる仕事とはなりますが、
- 結果的に動いてくれればいい
- 今までの駐車場代も営業補償も請求する
どちらかによって店長の妥協点も変わってくるでしょう。
ただ、一連の流れは頭の中に入れておいてもいいかもしれません。
実は一番困るのは、一度だけの長時間駐車をする人が数多くいる立地の場合です。
そういったところは、そもそも1時間無料のコインパーキングにしてしまったほうが根本解決かもしれません。
コインパーキングにすると売り上げも大幅に減った経験があり、設置コストを考えると設置しないほうが利益は取りやすい傾向にあります。